他人の話を聞かず、頭ごなしに怒る上司。
話をこじらせるのが趣味、口論で相手の意見を封じ込めるのが大好きな役員。
平気で話や記憶をすり替え、「聞いてない」が口癖の取引先の相手。
一度キレると感情を爆発させて、怒鳴ったり、泣きわめいたり、ふて腐れる社員。
やる気のない部下の無責任な言い訳。
あなたはそんな不機嫌な職場で働いていませんか?
通勤途中では周りが見えていない「ながらスマホ」族の横暴ぶりに閉口し、人にぶつかってきても謝るどころかにらみ付けられる。
狭い駅のホームで導線をふさいで、壁に寄りかかり、スマホを突き出して黙々と画面を眺めている無神経な人間にイライラしてしまう。
満員電車で疲れ切って帰宅しても、家庭では子どもが言うことを聞かない。
あなたはそんな時、どうやってストレスを解消しようとしますか?
何かに当たり散らす? ドカ食い、やけ酒、はたまた衝動買い?
こうしたストレス解消方法では一過性作用*1もありますが、実は他の病気の遠因となり、別の種類のストレスを蓄積させていくことになります。
ストレスだらけの世の中で、不平や不満をため込んでいる人はこの番組を見て、ストレスを和らげる方法を学んでみましょう。Voice-overを担当しているのはユキ・ラインハートさんです。
あなたの行動(習慣)を変える|NHK WORLD|Ask the Doctor
www3.nhk.or.jp
この放送回ではcopingとassertion trainingという二つの耳慣れない言葉が紹介されています。
copingとはストレスをうまく処理し、それを和らげる方法。
assertion trainingとは組織のなかで強い立場にいる人に対し、立場の弱い人が上手に自分の言いたいことを伝えるようになるための自己主張トレーニングです。
どういう視点、切り口で、自分の意見を述べていったらいいか、そのヒントを見つけることができます。
不機嫌な職場、教室、コミュニティーや小さな組織や集団でも、「権力者=強い立場の人間」が存在します。強い立場の人間が感情を爆発させやすい人だったら、事態は最悪です。
感情をコントロールできない人は自分の言いたいことだけを断定的に強い口調で話します。他人の話を聞かず、相手に心配りや気遣いをせず、言いたい放題です。
いじめやパワーハラスメントの構造はこういう人を中心に回っていきます。
感情爆発が習い性になってしまった「権力者」の心は、当たり散らし、怒鳴り、言いたい放題といった理不尽な行動で一時的にはスッキリするのかもしれません。
しかし部下や同僚はその「権力者」を次第に避けるようになり、信頼されることもなく、最後は孤立してしまいます。
一方、自己主張が苦手な人は自分よりも立場の強い人に安易に従ってしまいがちです。事なかれ主義、面従腹背の状態が長く続き、最後は言葉を飲み込んで、その場から逃げることだけを考えてしまいます。
assertion trainingでは攻撃的でも、受け身でもないコミュニケーションスキルを身につけることを目指します。
言いにくいことや悪い出来事に関する報告・連絡・相談でも確実に相手に伝えるスキルを身につけましょう。
このスキルを身につけると、嫌な上司や今まで全然話を聞いてくれなかった人、ギクシャクしたパートナーとの人間関係において、確実に変化が起こります。ぜひお試しください。
Assertion Training: How To Be Who You Really Are (Strategies for Mental Health)
- 作者: Roderick S. Graham,Shân Rees
- 出版社/メーカー: Routledge
- 発売日: 1991/03/07
- メディア: ペーパーバック
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*1:=一時的にストレスが軽減されたような気がすること